もしも、自分に何かがあったとき、残された家族にどれだけ相続税の負担が残るのか知っておくことは重要です。
その重要性と対策について、書いてみようと思います。
相続税は誰が払うのか
言わずもがな、相続税を自分で支払うことは出来ません。
なぜなら、その時、あなたはこの世にいないからです。
支払うのは財産を引き継いだ人。主に家族になります。
自分がコントロールできない税金であるからこそ、生前におおよその金額を知っておく必要があります。
もし、今、自分に相続が発生したら、どれぐらいの相続税がかかるのかを知ることで、その金額が家族の負担になるのか、ならないのか。預貯金や株式などの金融資産で支払うことができるのか、できないのか。不動産を売却して換金する必要があるのかないのかなどを考える材料になります。
家族の立場になって考える
わたしの経験上、将来発生するであろう相続税を自分から知ろうとする方は、あまり多くないように感じます。
ご家族からの依頼で、相続税のシミュレーションを行うことが多いかなと。
ここで考えていただきたいのは、残された家族の立場になって相続税を考えるということです。
家族とはいえ、子供や配偶者から、「財産って、どれくらいあるの」とは聞きづらいものです。
しかし財産の金額がわからないと、自分たちが支払う相続税を想像することができません。
家族のことを考えるのであれば、あまり考えたくはない自分の死後のことですが、おおよその金額でも将来の税負担をご家族で共有しておくことが大切な心遣いではないかと感じます。
また、自分の生前に財産状況を家族で共有することで、自分の死後では口を出すことができない遺産分割についても、自分の考えを家族に伝えることができます。
早ければ早いほうができることは多い
相続税対策で最も重要なことは、早めに動き出すことです。
日本人の平均寿命は80歳を超えています。対策は70歳ぐらいからでいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、早ければ早いほど、対策としてできること。そしてその効果も大きくなります。
また、相続税の負担額は、私がこの業界で働き始めてから、大きくなる一方です。消費税や所得税、法人税などの税負担を増やすとなると、反対意見が多く出ますが、「相続税を支払う家庭=富裕層」というイメージがあるのか、相続税は比較的、反対意見が出づらい税金という特色があるからです。近年では、贈与財産の取扱いが大きく変わり、ますます早めの相続税対策が必要になりました。
この流れは、大きく変わることが考えずらいからこそ、早めに現状を把握し、出来ることをコツコツと実行していくことが、相続税対策の大道であると考えています。