やましいことはなくても、一定の割合で相続税の税務調査は来てしまいます。
調査の流れと、ポイントをまとめてみました。
調査の流れ
税理士に申告を依頼している場合、税務調査の連絡が、直接、納税者のところへ行くことはありません。(もし、連絡があったら「税理士を通してください」といったほうが良いです)
税理士を介して、税務調査の依頼の連絡があり、当日まで準備をすることになります。
準備といっても、既に申告済の内容についての調査なので、数字を変えたりすることは出来ません。当日の質問にスムーズに対応できるように根拠資料の準備をしていくことになります。
調査当日は、おおよそ10時前後に税務署の人が来ます。
午前中は、亡くなられた方の生前の様子や趣味、職歴や住んでいた地域など、世間話しが中心です。
また、相続人の職業や生活についても聞かれることもあります。
午後になり、申告書に記載してある内容について説明を求められたり、根拠資料の提示を依頼されることになります。
夕方16時頃に調査は終了。調査結果は、後日、通知されるので、その場で調査終了ということはありません。
その日のうちに提示できなかった資料や、調査中解消できなかった疑問点について、後日、回答を求められることもあります。
調査中、特に税務署が見ていることは
質問と回答が繰り返される税務調査ですが、相続税の税務調査では、特に現金、預貯金、株式など「金融資産」についての質問に力が入れられていると感じています。
なぜなら、土地や建物などの不動産は、目に見えるものなので、隠すことは容易ではなく、評価の方法に誤りがなければ、税務署も突っ込みどころがないからです。
現金だと、いわゆる「たんす預金」などの申告漏れや、他人名義の口座に預貯金を移したことによる「名義預金」の申告漏れ。などなど、目には見えずらい動きをしてることが多く、税務署も調査の成果を出しやすいと考えているのではと思います。
私の経験上、相続税の税務調査で不動産の評価を指摘されたことはありません。結構、強気の評価をした場合でも同じです。
指摘を受けたことがあるものは、相続人の人も知らなかった金融資産、相続人の人が税理士である私に教えてくれなかった金融資産などの計上漏れです。
もちろん、明確に計上が漏れていれば修正申告、追加の納税はしなければならないので、丁寧に相続人には説明をします。
税務署はどこまでの調査ができるのか
調査に来る税務署も、当日まで何もしていないわけではなく、通帳の履歴の事前調査や証券口座の調査は行っているものと思われます。私は税務署の人間ではないので、内部事情まではわかりませんので。
「えっ⁉口座の履歴見れるの」と思われたかと思いますが、税務署は銀行などの金融機関に依頼して、口座履歴を確認することが可能です。証券口座も同様に。
口座の履歴だけではなく、手書きの振込依頼書や口座開設時の書類なども確認できるようです。
調査当日に解決できなかったこと、また、既に目星をつけている内容について確認ができなかった場合、税務署は解決できるまで調査を終了することは、ほぼありません。
調査では、聞かれたことはしっかり答える、知らないことははっきり知らないと答えることが重要です。